Episode1(インタビュー):アピオ 株式会社 代表取締役社長 河野 仁〜ジムニーカスタムパーツメーカーの自信作に挑む〜

 京商・ミニッツ4×4の新製品は、『スズキ ジムニー シエラ APIO JIMNY TS4』。ジムニーのプロショップとして知られるAPIO(アピオ)のコンプリートカー(自社製スペシャルパーツを装着した状態で販売されるモデル)をモデル化したもので、すでにリリースされているミニッツ4×4 スズキ ジムニー シエラとは違った雰囲気を楽しめるレディセットだ。

 しかし、そもそもアピオとはどういう会社なのか? そしてなぜアピオ仕様のジムニー シエラTS4がミニッツ4×4になって登場するのか? その経緯を説明するとともに、実際にアピオを訪れて、同社での取材を行った。

 神奈川県綾瀬市にショップを構えるアピオ。数々の個性的かつ機能にも優れたジムニー用スペシャルパーツと、それを装着したコンプリートカーはこの場所から生み出されている。ショップのドアを開けると、朗らかに笑うスタッフが迎えてくれるが、実はこのスタッフの高橋恵太(Episode2はこちらをクリック)さん、今回のミニッツ4×4 アピオ ジムニーTS4はもちろん、ミニッツシリーズとは深い縁のある人物なのだ。しかし、その説明は後にして、まずはアピオ社長の河野 仁さんにお話を伺うことにした。

アピオ 株式会社 代表取締役社長 河野 仁


河野さんが先代社長の跡を継いでアピオの代表取締役社長に就任したのが2005年。アピオの創業時は有限会社尾上自動車という一般的な自動車整備工場だったが、河野さんの前職は整備士ではなく、プロダクトデザイナーという少々変わった経歴を持っている。アピオにはデザインスタッフとして1993年に入社したものの、当時の会社では、ほぼ何でも屋の状態だったとのこと。河野さんは、現在でもアピオ製スペシャルパーツの多くを自分の手でデザインしている。

 そもそもアピオ ジムニーTS4がミニッツになったきっかけは、ホビーショーの京商ブースを河野さんと前出の高橋さんが訪れたことにある。当時ミニッツ4×4の製品化に向けて、ジムニーのどのタイプ(JB23型か74型か)をモデルにするか悩んでいた京商スタッフは、河野さんの「新しいJB74のほうが絶対いいです」というアドバイスもあって、現在の車種に決定した。それからは実車取材でもアピオの協力が得られ、晴れてミニッツ4×4 スズキ ジムニー シエラは製品となり、2020年3月に販売が開始された。そこから約1年半、ついにアピオ ジムニーTS4もミニッツ4×4の仲間入りを果たす。


「JB74をお勧めしたのは、実車のJB74が人気を集めると確信していたからです。JB23も人気のあったモデルですが、やはり新しいほうがいいと思いました。実際にJB74は人気車になりましたね」と河野さんは語ってくれた。

 今回の取材で完成したミニッツ4×4 アピオ ジムニーTS4と初対面の河野さんに、率直な感想を聞いてみた。

「いや、もう抜群の出来ですよ。TS4に装着しているフロントのタクティカルバンパーは、樹脂製でありながらスチール製のような重厚感を見せたいという考えで私が設計したのですが、その微妙なラインもキレイに再現してくれましたね。正直これはうれしいです。

もちろんそのほかの部分、たとえばリアのバンパーやホイールなども実によくできています。そしてヨシムラのマフラーもバッチリです。いや、こうして見るとウチのクルマはカッコいいですね(笑)」

 決してお世辞ではなく、本心からよくできていると話してくれた河野さん。実車のジムニーに関する思い入れも話してもらった。

「ジムニーって“旅を具現化するためのパートナー”だと思うんですよ。クルマは本来移動するための道具だけど、ジムニーはそれだけじゃありません。ジムニーを運転していれば、その移動も楽しくなるのです。そういう意味では趣味性の強いクルマですね。


趣味っていい言葉で、『趣(おもむき)を味わう』と書きます。まさにジムニーは趣を味わうのに最適です。これは模型にもいえることで、あこがれのクルマが実体となって目の前にある、たとえそれが実車じゃなくてもロマンを感じられますし、ミニッツなら自分で操作できます。今回のミニッツ4×4 アピオ ジムニーTS4は、いろいろな趣味の人が楽しめるものになるんじゃないかと期待しています」

アピオ株式会社〒252-1124 神奈川県綾瀬市吉岡651番地TEL:0467-78-1182 FAX:0467-76-3266


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