実車のような挙動と操縦性が僕をワクワクさせる 〜 道上 龍さんが語るインファーノGT3の魅力 〜

ル・マン24時間レースへの参戦や国内トップカテゴリーで活躍した道上 龍さん。2017年も日本人初のレギュラードライバーとしてFIA世界ツーリングカー選手権(WTCC)への参戦だけでなく、同年11月に行われたマカオでの第9戦ではオープニングレースで3位表彰台を獲得するなど、海の向こうから朗報を届けてくれた。そんな道上さんがR/Cカーレースのコンペティションシーンでもトップレーサーとして名を連ねることは、GPオンロードレースユーザーであれば周知の事実であり、2017年12月9〜10日に開催された『第42回 京商グランプリ』でもインファーノGT2クラスで3位表彰台を獲得している。これまで1/8GPレーシングカーや1/10GPツーリングカーでもR/Cカーを楽しんでいた道上さんだが、「インファーノGT3は今まで経験してきたR/Cカーのなかで一番楽しい」と語る。道上さんを夢中にさせる“インファーノGT3の魅力”とは、果たして?



純競技モデルに比べてシビアさが要求されない

ドライビングとセッティング

「インファーノGT3は他のカテゴリーに比べてボディは大きく、重量感もあるツーリングカー。片や1/10スケールのGPツーリングカーは軽量で、”これぞR/Cカー“というシャープでかつピーキーな動きを示します。だから、GPツーリングカーで何か起きた時、そのピーキーな動きになかなか反応できません。いっぽう、GT3も排気量が大きいのでスピードはありますし、パワフルな動きをしますが、車重があって車高も高めなので、GPツーリングカーのような動きが緩和され、クルマの動きを感じとりやすい。要するに、GT3は操縦台の上からクルマを見ていても、その見た目と動きがリンクしていて、わかりやすいんです。

 また、GPツーリングカーはオーバーなアクションがあまりできないというか、特にスポンジタイヤの場合は反応がよすぎてアクセルを入れるタイミングも遅くなったりしますが、GT3はクルマをラフに動かしてでも曲げていく操縦スタイルでも破綻することはありません。そういった操縦スタイルを可能にするにはリアグリップが高くないとダメなんですが、これって実車も同じでフロントがよく入るクルマは、おそるおそるでしかコーナーに入れないので走りにメリハリをつけられません。でも、リアグリップが高いクルマはフロントにより荷重をかけてみたり、早めにアクセルを開けて曲がったりと、いろいろな走りが試せます。実車のレーシングドライバーの感覚からすると、レーシングカーはリアグリップがあって当然なんです。実車でフロントがよく入るクルマは乗っていても怖いし、メリハリがある走りができないので、自分の腕がある程度あってクルマのレベルもそれなりに高いところにないと速く走れません。“GT3が実車に近い”と言っているのは、そういった部分なんです。

 また、1/8GPレーシングカーや1/10GPツーリングカーは“ダダダッ”って感じで、スロットルを入れる回数がすごく多いですよね。普通なら減速してフワーっとスロットルを開けていきたいのに、そうするとリアが滑るからスロットルで合わせるしかない……みたいな。このアクセルワークって、すごくもったいないと感じてしまうんですよね。でも、GT3は“バーン、バーン”という感じで入れていけるので理にかなっていますし、操縦も楽なんです。

 もちろん、GPオンロードの究極は1/8レーシングカーでしょうし、あのスピードでコーナーを曲がっていくのはすごく楽しい。ツーリングカーはツーリングカーで小さいマシンがあの勢いで走るのは圧巻のひと言に尽きます。でも、マシンをそこそこ走るようにセットアップするには、それなりの経験と時間を要します。もちろん、GT3もセットアップは重要ですが、そこまでシビアに合わせ込むことなく、ある程度のセッティングが出ていれば夏であろうが冬であろうが、ホコリっぽいところだろうがグリップが高いところだろうが、それなりに走れるんですよね」


実際に肌で感じた“リアグリップの高さ”に

GT3の大きな進化をみた

 2017年の第42回 京商グランプリではGT3でレースに参戦した道上さんだが、1年前の第41回大会ではインファーノGT2を使用した。フルモデルチェンジで進化したGT3を道上さんはどう評するのか? GT3の購入を考えている人や、GT3への買い替えを考えているGT2ユーザーにとっては興味のある部分だろう。

「走り比べて一番違うと感じたのは“リアの安定感”。GT3では、より安定感が増しましたね。フロントのアンダーステアを感じるところもありますが、その傾向はGT2でもありましたから。ただ、GT2では急にアンダーからオーバーに変化するクセがあって最終的にリアがめくれたり、リアが出やすくなる症状もありましたが、GT3ではいっさいありません。だから、セッティングを進めるうえでは、フロントをいかに曲がるように仕立てられるかという部分に集中ができるんです。あと、特筆すべきは縁石に乗った時などのギャップ吸収性が高いこと。サスのストロークが十分確保されていて、路面追従性がものすごく上がっていますので、操縦がとにかく楽なんですよね。だから、純粋に他車とのバトルも楽しめます。これも、GT3の魅力のひとつといえるのではないのでしょうか」

Kyosho Style

京商プロダクツと「ヒト・モノ・コト」。

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