レーシングドライバー・道上 龍を魅了し続けるエンジンカーの魅力

 レーシングドライバーとしてル・マン24時間レースへの参戦や国内トップカテゴリーで活躍し、一昨年は、SUPER GTでDrago Modulo Honda Racing、スーパーフォーミュラでDRAGO CORSEのチームオーナー兼監督として、そしてHondaは、2017年のFIA世界ツーリングカー選手権(WTCC)に、日本人初のレギュラードライバーとなる道上龍(みちがみ りょう)選手を含む、Hondaワークスチーム2チーム3台の体制で参戦する。


 「休日はゴルフ、というドライバーが多いなか、僕はもっぱらR/Cカー。自分がドライビングする本物のレーシングカーがR/Cのキットで売られているのだったら、その走りを客観的に見てみたいと思ったのがR/Cカーを始めたきっかけでした。あとは自分で組み立てたマシンを自分で走らせると、どんな気分なのかなって」  


そんな道上さんが“相棒”に選んだのはエンジンオンロードカー。そこには、電動カーにはない魅力が溢れていたという。 


 「排気音に煙、実車さながらのメカニズムなどエンジンカーの魅力は、あげ出したらキリがないほど。ただ、エンジンカーは難しいイメージがあるし、たしかに簡単じゃない。僕もカートや実車でレース経験はありましたが、最初は苦労の連続。でも、そんななかでもマシンが稀によく走ると、それだけで気分は爽快。数日経つと“あの走りをもう一度体感したい”とウズウズしちゃうんです。しかも、サーキットに通ううちにセッティングで走りが激変することを覚えたらもう大変、楽しくて仕方がなかった。  


 また、R/Cカーにハマるにつれて、実車と多くの共通点があることにも気づきました。セッティングに関してはどこをどう変更すれば、どんな特性が引き出せるのかといった部分です。セッティングの変更に対して、しっかりと反応がある感覚はレーシングカーにすごく近い。操縦に関しても自分がハンドルを持っているか、プロポを持っているかの違いだけ。むしろ、実車よりR/Cカーのほうが集中力を要する場面は多いです。実は、実車のレースはストレートで休める時間があったりしますが、R/Cカーでは休める時間はないし、5分の予選をミスなく走りきるのは相当キツい。20分や30分の決勝レース走行後は、集中しすぎてカラダが固まってる(笑)。でも、これが現役時代の“集中力のスイッチを入れる”というトレーニングに役立っていたことも事実です。  


 現在はレース活動が忙しいこともあり、現役時代ほどR/Cカーを楽しめていませんが、レースに出たいという欲求は常にあります。人と競い合いたいし、速い人がいるほど燃える 。R/Cカーは年齢に関係なく楽しめるから、今後もR/Cカーをやめることはないんだろうなと思えるくらい昔も今もR/Cカーに夢中です」

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