リアルな造形と際立つ走りを両立。 全てのクルマ好きに愛されるMINI-Zを

1 9 9 9 年の誕生から今年で2 0 年を迎えたMINI-Z。手のひらサイズながら、見惚れるほどの美しいボディと実車のように楽しい走りの両方が楽しめる1/28スケールのRCカーは、デビュー以来世界中のクルマ好き、RCカー好きを夢中にし続け、京商ブランドの主力製品となるまでの成長を遂げた。2019年、この記念すべき年にその開発を牽引する開発者にMINI-Z開発への想いを聞き、そしてこの先20年後を見据えた未来のMINI-Zについて語ってもらった。

広谷 一将
京商株式会社 R&Dグループ開発


 「本格的なRCカー好き、リアルな模型好き、そして実車好き・・・MINI-Zはすべてのクルマ好きに楽しんでもらいたいという思いから生まれました。それはこれまでの20年もこれからの20年も変わることはありません。私はどこのメーカーにも負けないリアルな造形、さらに際立つ走りを実現させるボディ設計、そういったこだわりのものづくりをしてきたいと思っています」。


そう語るのはMINI-Zのボディ造形から、カラーリングやデカール、ボディ構造の設計までボディ開発全般を担当する広谷一将だ。

 「MINI-ZはコアなRCカーファンから実車ファンまで幅広いお客様に愛されています。私の前任者は模型にも実車にも精通した方で、特に実車ファンへ向けた製品づくりが秀逸でした。私は前任者の考え方を継承しながらRCカーファンにも響くものづくりをするよう心がけています。具体的には、それまでのメインボディは分厚く壊れにくい均等な断面のボディでしたが、私はこれをトップとサイドで肉厚を変えることで、見た目よりも低重心にする設計としました。小さな世界なので、これが大きく効いてくるのです。


 すごくリアルで精密なプラモデルを作り上げたようなボディと本格的なシャシーによる走りの良さ、その両立があってはじめて、小さいながらも実車のように走るMINI-Zが生まれるのです。その両立は決して簡単なものではないのですが、やりがいのある仕事であることは間違いありません」。


 走らせて楽しむRCカーの開発は、どうしてもシャシーがその開発の中心的存在になり、ボディづくりの領域では様々な制約が生まれてしまうもの。ましてやMINI-Zのようなサイズで、ダイキャストモデルのように忠実なボディを実現させるとなればその苦労は計り知れない。

 「たしかにシャシーとボディデザインはうまく連携を取れないと良いものは作れません。幸いなことにシャシーを担当する岩崎は同じ年で、彼も私も実車が好き。同じ価値観をもち、同じ方向を向いて、次世代のMINI-Z開発ができているのではないかと思います。一緒に昼食を食べながら、ボディ側としてはここまで伸ばすとより実車っぽくなるんだけど、シャシー的にはどうかな?などお互いよく話をしていますよ。こういったコミュニケーションの良さも、これから誕生するMINI-Zに生かされていくでしょう」。


 岩崎のFWDシャシーに乗った広谷のシビックタイプRのボディ、MINI-Zの次世代を担う二人の開発者によるひとつの答えは大きな注目を集める製品となった。次はどんなモデルを生み出そうか、広谷は"MINI-Z新規ボディアイディアキャンペーン"の投稿を見ながらこう語りはじめた。

 「人間の数だけ考えがあって、それぞれに思い入れのあるクルマがありますからね。開発者としては全ての願いを叶えてあげたいです。私個人に製品化を決める権限はありませんが、個人的にも1位となったスープラはぜひ作りたいですね。造形的にも、走り的にも、面白いMINI-Zになりそうです」。

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