“空飛ぶクルマ”が描く未来予想図

イノベーティブな発想でシーンに先鞭をつける京商の次なる一手

その1年を締めくくる年末恒例の新語・流行語大賞に“ドローン”がトップテン入りしたことからもわかるように、『ドローン元年』と呼ぶに相応しい1年となった2015年。その初頭となる2月、すでに京商では“M1”というコードネームのもとに、あるひとつのプロジェクトが進められていた。未来(Mirai)の意味をもつ、このM1プロジェクトで目指したのは『未来につながるおもしろいモノを生み出せないか』、『お客様に未来を感じてもらえる何かを作れないか』のふたつ。 


「これらの高いハードルをクリアするためにプロジェクトメンバーと検討に検討を重ね、その結果、誕生したアイテムこそがDRONE RACERなんです」と開発マネージャーの石川博義は語る。 


「ちょうどM1プロジェクト発足の頃から、ドローンによるレースが始まったと記憶しています。でも、当時のドローンレースは、それこそレースと呼べるほど立派なものではありませんでした。いっぽう、京商はレースオーガナイズが得意で、その経験やノウハウも豊富。ならば、京商がドローンレースをプロデュースして、もっと簡単に飛ばせるマシンを作れば、今よりももっと手軽にドローンレースが楽しめるはず! と思ったのが、DRONE RACERの始まりでした。 


次に考えなければならなかったのは、近未来的なドローンとはどういったものなのか? でした。その答えが、超低空を滑空することだったんです。『未来のクルマはタイヤがなくなっているんじゃないか』、『未来のレースは超低空バトルが主流になっているんじゃないか』とプロジェクトメンバーの多くがイメージしたんです。これらのアイディアから、“じゃあ、そういうものを作ろう”という流れになったんです。だから、DRONE RACERのコンセプトは“未来のクルマ”。もっとわかりやすく言うなら“空飛ぶクルマ”ですね(笑) 


それとは別にもうひとつ、DRONE RACERには重要な意義があります。実車ができる時は最初に模型を作り、それが実物になるという過程を経ますよね。模型が先行して作られ、それが実験の材料として使われる。みんながDRONE RACERを見た時に、“これが未来のクルマなんだ”というイメージを抱いてくれれば、より実機になりやすいんじゃないかと。未来のクルマはこういうふうに走って、こういうふうにレースするんじゃないか……。


そんな、近未来の世界観をDRONE RACERで示したかったんです。未来を創造するなかでファーストステップとして模型が存在し、その模型が未来を切り拓いて実機になる。こういった、京商ならではともいえるイノベーティブな活動も社会的に大きな意味があると思っています」 


妥協なきモノづくりへの追求が 新しいあそびをクリエイトする

こうしてスタートしたM1プロジェクトだったが、実際の開発工程ではトライ&エラーの繰り返しだったと石川は語る。 


「機体の大きさ、重量、パワーソースなど基本仕様の決定から、超低空での滑空とホイールコントロールによるR/Cカーのような操縦フィーリングを実現するための制御ロジック構築やパラメータ設定まで、とにかく納得いくまでテストを重ねました。だた、そのなかでも大切にしたのはぶつけた時に物を壊さないこと、人がケガをしないことでした。機体をぶつけてクラッシュしても、笑いながら『もう1回やろうぜ!』ってなるように(笑)。


あとは、既存のドローンにはないカッコよさも追求しました。僕はDRONE RACERをクルマとして捉えていますので、カッコよさも絶対に譲れない要素でした。  


すべての課題を解決できたことで、絶対の自信をもってお届けできるDRONE RACER。より多くの方にR/Cのような操縦フィーリングと地面スレスレを滑空するドキドキ感を味わってほしいですね」 


0コメント

  • 1000 / 1000