別室のパドックはビシッと工具を揃えたベテランドライバーさんたちの熱気であふれています。さすが、全国のエリア戦を勝ち抜いてきた猛者だけに、淡々と準備をする姿が貫録タップリです。
ボクの参戦するNISSANファンクラスは、この日、3分間の練習走行と3分間の予選を2本走り、そのタイム順に4つのクラス別の決勝レースが行われます。電動R/Cカーのレースは、決められた時間(3分間)にコースを何周できるか、という形式で、1周のタイムの速さを競うわけではありません。だからこそ1周のタイムを求めるより、なるべくガードレールにぶつかったりすることなく淡々と走ることが重要、ということを予選1本目が終わってから京商のスタッフに教えてもらいました…。
結果として練習走行、予選1回目、予選2回目と進むごとにコースに慣れてきてベストタイムは上がってきたものの、やはりガードレールにぶつかったり、他車と衝突したりして連続でノーミスの周回ができないボク。結局は決勝レースが予選タイムの速い順にA、B、C、Dと4つある組のうち、D組で出走することとなりました。
ただ、予選で感じたのはボクのクルマのストレートスピードの遅さです。そこでモーターに付いているピニオンギアを6枚から7枚に交換して最高速重視のセッティングに変更。実はパドックで何もすることがないボクでしたが、ピニオンギアを変えるためにモーターを外したりして、ちょっぴりレースのパドックな雰囲気も楽しめました。
迎えた決勝Dメイン(組)。こんなに大勢のギャラリーが見守る中でR/Cカーを走らせるとなると、送信機を持つ手も震えます。それでも、さすがにわずか4回とはいえ練習していたかいもあって、ガードレールに何度かぶつかりながらも、なんとかそれなりに走ってなんと2位! いやー、Dメインとはいえ2位はうれしいです。こういうのこそ、レースの醍醐味だなあと改めて心の底からジワジワと歓びがこみあがってきました。
大勢が見守る中でR/Cカーを走らせるのって、いうまでもなく緊張しっぱなしの3分間。普段の練習より、ステアリングホイールを持つ手の動きが鈍くなる感じが…。
で、Dメイン上位2人はなんとCメインで走れるルール。すぐに出番が回ってくるので、歓びを噛みしめている時間はありません。ゼッケンを8番に張り替えてCメイン決勝レースに出走。いや、もはやこのクラスになるとボクなんかまったく歯が立ちません。先に書いた通り、周回数で順位が決まるのですが、ボクは4分間で9周回ってビリの8位。ひとつ上の7位の選手は12周、トップの選手は14周とまったく違うレベルの差を痛感しました。
と、まあそんな感じでボクのレースはCメイン8位という結果で終わったこのNISSANファンクラスのレース。ただ、その後に行われたミニッツカップの日本一を決めるファイナルチャンピオンシップの各クラスは、見ていても興奮モノのレースばかりでした。そんな一日を過ごして改めて思ったことは、こうしたレースを走っている瞬間も楽しいのですが、そこに至る過程が充実していたからこそ楽しさもさらに増したんだと思います。
ギャラリーがいようがいまいが、淡々とドライバーそれぞれの走りを見せるファイナルチャンピオンシップの決勝レース。その走りはもう見えないほど速かったです。
ミニッツの車種選びから始まって、R/Cカーの走らせ方をあれこれ考えたり、パーツを交換したりする過程は、実車のクルマやバイクの楽しみ方と同じ。実はボク、バイクでサーキットのライセンスを取ってスポーツ走行を楽しんでいたりもしますが、その大きさこそ違いはあれど、ミニッツでやっていることもまさにそれと変わりません。
そしてミニッツはそこにダイキャストモデルのような、愛でる楽しみ、集める楽しみといった大人の趣味性があります。大きさこそ手の平に乗る小さなR/Cカーですが、そのミニッツワールドは広く深いと思いました。
来年はミニッツが誕生してから20年になるそうです。ミニッツがそれだけ長く、そして世界中の人に愛されてきたのは、そんなミニッツの大きな懐にあるのではないでしょうか。
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