2018年度大会で16回目を迎えたミニッツカップ ファイナルチャンピオンシップ(レポート)。この大会は全国の地区大会を勝ち抜いた者だけが参加を許される日本一の決定戦であり、ミニッツでレースを楽しむユーザーの誰もが目標とする“目指すべき場所”にもなっている。
それだけに、参加することそのものが栄誉ともいえるが、そんな年に一度の大一番に16回連続で参加を果たしているふたりのユーザーが存在することをご存じだろうか? ここでは、そのうちのひとりである浅場 忍さんのミニッツライフをクローズアップする。
インタビュー:
日本郵便輸送株式会社 東京支社中野営業所 総括主任 浅場 忍さん
KYOSHO製ミニカー(1/43scale TOYOTA Hiace 2004 Postal Truck Red)を片手に、職場からお写真を送って頂いた
偶然なのか? それとも必然だったのか? 16回連続出場の栄誉を称える特別表彰が行われた2018年度のミニッツカップ ファイナルチャンピオンシップの開催期間中に45歳の誕生日を迎えた浅場さん。
何かを“もっている”と思わざるを得ない、そんな浅場さんがミニッツカップに初めて参加したのは、2002年11月にお台場・MEGA WEBで開催された地区予選だった。
「ミニッツの公式イベント初開催ということもあって、レースというよりも自慢のミニッツを持ち寄って交流を図るオフ会といった雰囲気でした。だから、R/Cカーレース経験者の僕にはやや場違いな感じがあったことを記憶しています。
僕はC-Carクラスに出場したのですが、レース順が一番目だったため、そのクラスで優勝して最初のミニッツカップ優勝者となりました。次のクラスのレースが終わるまでの約10分間、“世界でただ1人のミニッツカップチャンピオン”みたいな(笑)。そんなことが、今でもいい思い出として残っています」
「東京に住んでいることもあって電車移動も多いのですが、ミニッツはカバンひとつで走行に必要なモノがすべて持ち運べるので、仕事帰りでも気軽に楽しめるのは魅力的ですよね。カッコいい完成ボディもあって、とにかく手軽ですし。
それなのに、とてつもなく高性能なのもスゴいのひと言! そんなクルマを使ってレース(ミニッツカップ)が楽しめるのも、僕がミニッツにハマった大きな要因です。加えて、僕はミーハーな性格で、アニメなどで主人公が全国大会を目指す! みたいな作品を観るとすぐに影響されちゃうから、『誰でも日本一を狙える!』というミニッツカップのコンセプトも僕にはピッタリでした。
ミニッツカップのおかげで全国を狙うという体験をさせてもらう場があることそのものが、とても幸せなんですよね。勝ち負けを争ったり、全国を目指したり、日本一を目指したり……こんなことって、普段の生活のなかではそうそうあり得ないことですから。
もうひとつ、ミニッツカップに参加し続ける理由があります。それは、仲間との交流です。僕はミニッツ以外ではカメラを趣味にしていますが、両者の決定的な違いは仲間との交流があるか・ないかということです。
社会人になるとプライベートの友人をつくるのはなかなか難しいのですが、僕の場合はミニッツやミニッツカップのおかげで全国にたくさんの仲間ができました。SNSの友人もミニッツで知り合った仲間が大多数なんですよね。
そういう意味においても、ミニッツには本当に感謝しかありません。今後も“ファイナルチャンピオンシップ皆勤賞”というモチベーションを保ちつつも、全国の仲間と楽しくミニッツカップを続けていければいいなと思っています」
ミニッツを語り始めたら止まらない“ミニッツ愛”に満ち溢れている浅場さん。過去のミニッツカップでも数々の輝かしい戦績を収めているが、そのなかでも「自分にとっての最高のパートナー」と語るのが、フォルクスワーゲン ビートルだ。
「ビートルはファイナルチャンピオンシップで3回も表彰台に導いてくれましたからね。だからといって、実車のビートルが好きかといわれると、決してそういうことはなくて……。実は僕、実車のこだわりがまったくないんですよね。今でも実車にそれほど詳しくなくて、一般知識があるくらい(笑)。
ビートルボディを使用する際のクルマ作りのコツは、シャシーが高重心のHMマウントなのでとにかく転ばないようにすること。具体的にはタイヤの肉厚を薄くして、フロントタイヤのグリップを落として対策を施すんです。
ドライビングするうえでの注意点ですか?
僕は“自分が乗っている感覚”が重要だと思っています。僕の仕事は『郵便車』の運転手ですが、ファイナルチャンピオンシップのコンパクトカークラスで優勝した当時、仕事で背が高い軽自動車に乗る機会が多かったんです。軽自動車ってロールが大きいですよね。
これを実車で体感していたので、ミニッツでもステアリングをどれくらい切るとクルマがどれくらい傾くのかが感覚的にわかったんです。
僕は前を走っているクルマを避けることも得意なんですけど、それは仕事の時の運転でも普段から車間距離に気を使うだけでなく、あらゆることに細心の注意を払ってドライビングしていることが役に立っていると思っています。
要するに、実車でもミニッツでも速く走ることより“ていねいに走ること”が大前提なんです。
だから、ミニッツを操縦する時もていねいに走ることを心がけています。知らず知らずのうちに“自分の仕事がミニッツに活きていたんだなぁ”って思いますし、逆にミニッツが自分の仕事に活きていたんだと思う瞬間も実は多いんですよね(笑)」
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